人と自然をつなぐ

熊谷けいじのブログです。

【生物多様性】人間に他の動物を殺す権利はあるのか?

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今回は、ちょっと心がチクりとした話。

 

一昨日の夜、いつも通り夜食を買いに、近くのセブンイレブンに行こうとした時のこと。

僕が住んでいるマンションのゴミ捨て場から、聞き慣れない「ギュー」という音がする。

暗かったので、近づいてみてみると、粘着性の板にくっついたねずみがジタバタしている。

 

すぐに、「これ、ねずみ捕りか!」と気付いた。

必死に逃げようと動いているが、手足から胴まで、全部べったりくっついている。

「なんかかわいそうだな」と思いつつ、コンビニでロールケーキを買って帰った。

 

5分ぐらいたった後の帰り道でも、相変わらずもがいている。

さっきよりも大きな鳴き声で。

1mぐらい離れた植え込みに、他のねずみが2匹いた。

ねずみ捕りに捕まった仲間をしばらく見ていたが、ちょっとしたらササっと奥の方へ逃げてしまった。

 

このねずみは、人生もうどうしようもないんだな。

次の朝に大家さんに見つかって、ごみ袋にすてられちゃうんだな、と思うと、「何でこのねずみは、こうも当たり前のように殺されていくんだろう。絶滅しそうな動物や、見た目が良い動物は丁重に扱われているのに。」と矛盾のようなものを感じてしまった。

 

そして翌朝、ごみ捨て場を見てみると、板の上で固まって全く動かなくなったねずみと、ねずみの死後に集まってきたであろう沢山のハエが、同じように板にくっついていた。

 

 

いきなりシリアスな雰囲気で始まりました。笑

こんにちは。

熊谷けいじです。

 

一昨日から昨日にかけて、この出来事があったので、改めて「人間とそのほかの動物の関係ってどうあるべきなんだろう?」ということが気になり、色々調べてみました。

 

動物倫理の観点ではどうか

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人がどのようにして動物と関わるべきか?という疑問については、18世紀ごろから、「動物倫理学というテーマとして論じられてきました。

 

下記の用語サイトでは、大まかな思想の流れを知ることができます。

imidas.jp

 

ただ、このようなサイトを読んで感じたことは、「答えが無い」ということでした。

 

当たり前ですよね。笑

これといったただ一つの解が無いから、沢山の哲学者たちが「動物倫理はどうあるべきか」という問いについて議論し続けてきたワケです。

 

なので、ここではその中身については紹介しません。

ただ一つ言えるのは、この2-3世紀の間に、動物とは人間とは異なる「単なるモノ」であるという考え方から、少しづつ、動物にも五感があり、知性があり、権利がある、、、といった考え方にシフトしてきているということです。

 

詳しく知りたい人は、上のURL先でも良いですし、「動物倫理」で検索するといくつか無料でも読み応えのある論文が出てきますのでぜひ読んでみてください。

 

では、答えが無い中で、どうすれば自分は納得できるか?

まずは自分にとって動物はどんな関わりがあり、自分はどうありたいか?という考え方が大切ではないかと考えます。

 

人間と動物にはどんな関係性があるのか?

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人間は、自分一人では生きていけませんし、人間という種の集まりだけでも生きていくことができません。

 

例えば、人間は他の生き物の命を頂いて生きています。

そして、その人間が食べる生き物も、他の生き物を食べています。

その他の生き物も、さらにそのまた他の生き物のお陰で成り立っています。

 

この下の画像がとても分かりやすいです。

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引用:公益財団法人再春館「一本の木」財団HP(https://ipponnoki.jp/cepa/

これは、よく「食物連鎖」という関係性で説明されますね。

 

例えばですが、ある植物が絶滅すれば、その植物を食べていた虫が絶滅し、その虫を食べていた生き物が絶滅する、という連鎖が起きます。

 

それでは、人間の食物連鎖に関係のない生き物は全て絶滅しても良いのか?

そうではありません。

ピラミッドの一つの階層には、沢山の種類がいた方が良いのです。

ピラミッドの自分の階層よりも下の生物が多様であればあるほど、万が一自分が食べていた生き物が絶滅した時に、代替することができます。

つまり、多様な生き物が同時に存在していた方が、ピラミッドのどこかが欠けた場合でも、安定して生きていくことができるのです。

(これは食料の観点からの話ですが、衣料などの他の観点から見ても同じことが言えます)

 

だから、人間に全く関係のない動物はいないのです。

多様な生物が、地球上に豊かに存在していること自体が、人間にとってとてつもないメリットを持っているんです。

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特に最近話題の例としてはミツバチの話があります。

www.businessinsider.jp

ミツバチが絶滅すると、様々な植物や野菜、果物が生産できなくなり、人間も、その他の動物にも多大な影響がある、という記事です。

 

結論

じゃあねずみはどうか?

ねずみも、何らかの形で人間に関わっているのでしょう。

 

ただ、ピラミッドの話を逆に捉えれば、増えすぎた種は数を抑制する必要があります。

だから「人間による駆除」という形で命を奪われていくことになる。

 

本来ならば、ピラミッドの自動調整機能で数は減っていきます。

ねずみが増えすぎる⇒ねずみが食べるものが足りなくなる⇒ねずみは適正な数に落ち着く、というように。

 

それを人間がやっているのは、人間が人間のためにやっているからです。

人間が便利に生きていこうとする限り、自然や他の動物への被害は避けられない。

 

駆除されるのはかわいそう、とは思いつつも、僕もそこら中に大量のねずみがいるのはちょっと不便かなと思ってしまいます。

だから僕の中では、必要以上の便利を追わず、最低限の便利を享受させて頂き、自然や他の動物への被害も最低限に抑える、という結論に落ち着いています。

 

自分にできることは、自分の生活と動物が関わっている部分を知り、自分がこうありたい、という生き方に変えていくこと。

そのためにもまずは、自分の生活が、沢山の命の犠牲の上に成り立っているということを知ることが大切なのではないでしょうか。

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最後に。

生物として繁栄しながら、他の種に気を配るなんて、人間は不思議だなあと思いました。笑

 

それでは今日はこの辺で!